ケニアに行くと言うと、多くの人が「ライオンに食べられないようにね」と声をかけてくれます。
また、ナイロビの治安の悪さについてはよく知られていますし、暴動事件も記憶に新しいところです。ケニア旅行を考えている人にとっては、いちばん気になるところかもしれませんね。
危険はないの?
ナイロビ市内・近郊
殺人現場の、それも、まだ遺体が転がっている横を車で通ったことがあります。
そばを歩いている人はたくさんいたのですが、興味なさそうに通りすぎていく人がほとんどでした。ちょうど出勤時間にあたっていたせいか、それとも見なれているせいか。
ガイドさんも「ああ、なんか殺人事件ですネ」とあっけらかんとしたものです。スピード違反で捕まった人を指さして「まあ気の毒に」と言うのと変わらないニュアンスでした。
僕自身は危ない目に遭ったことがないので、正直なところなんとも言えません。不用意に外を出歩かなければそれほど神経質にならなくてもいいんじゃないかと思います(個人旅行でないかぎり、ナイロビ市街を歩きまわることはないでしょう)。
市内のレストランや見学施設は、ゲートが鉄扉になっていたり、手前に検問のバーがあったりして、さらに銃を持ったガードマンが門番をしています。不審者(不審車)は入ってこられない――はず。
むしろ交通事故のほうが心配でした。マタツと呼ばれる相乗りタクシーをはじめ、ものすごいスピードで走る車が多く、互いに抜きつ抜かれつやっています。じっさいに事故が多いそうですから、その巻き添えにならないよう祈りながらの旅でした。
暴動事件以後、現在のナイロビ市内や近郊の情勢についてはよくわかりません。できるだけ最新の情報を集めることをおすすめします。僕らは2008年のケニア行きは見合わせました。
サファリ中
ドライバーさんやガイドさんの指示にしたがっているかぎり、まず安心です。
動物とのニアミスはときどきありました。
ヒポ・プール(カバのたまり場)の前で車から降りていいと言われたので、みんなでどやどやと降りていったら、死角に中型のクロコダイルがいました。こっちもびっくりですが、むこうも驚いたらしく、あわてて逃げていきました。ドライバーさんに「クロコダイルがいたじゃないか」と文句を言ったら、「そうか、あはは」と笑っておりました。
同じくヒポ・プール前でのことです。
尿意をもよおした僕は、アリ塚のかげで用をたしました。そのときは気づかなかったのですが、あとでよく見たら、それほど離れていない茂みにカバがおりました。さすがにぞっとしました。
車から降りているときは、青空トイレであれ、勝手に行動しないことです。かならずドライバーさんかガイドさんに安全を確認してもらってください。
最近サファリカーをねらう強盗が出るそうです。サバンナでもっとも危険なのは、ヒト科の動物です。
ロッジ滞在中
ロッジの敷地は微弱電流が流れる柵で囲まれていますが、相手は野生動物ですから、完全にシャットアウトすることも難しいようです。
某ロッジでは、中庭前の沢にメスライオンが現れて大騒ぎになったことがあるそうですし、別のロッジでは、敷地内にハイエナが入りこんだことがあったとか。
とはいえ、そんなことは例外中の例外で、危険な動物が入りこむことはまずありません。
バブーンやサバンナモンキーが好き勝手に歩きまわっていますが、ふつうにしていればだいじょうぶです(ときどきテーブルの上を荒らしにくるのが困りものですが)。
ただし、こちらからエサを与えることは禁物です。
サバンナモンキーは小型だし、毛並みもやわらかそうで、顔つきもニホンザルなんかよりずっと愛らしく見えるでしょう。朝食の残りのパンを持っていって、ひと切れやりたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、少しぐらいかわいくてもやっぱり畜生です。モルディブあたりで魚にエサをやるようなつもりでいると、大変なことになります。サルたちは、持っているパンめがけて飛びかかってくるでしょう。
外国人女性客がそうやって襲われて、スタッフに救助されていました。
ロッジ滞在中、いちばん怖いのは毒ヘビではないかと思います。
ムパタ・サファリクラブの敷地内にはロック・ハイラックスがたくさん生息していますが、それをねらってコブラも集まってきます。
あるとき、部屋の前の岩場にたむろしていたハイラックスが、突然クモの子を散らすように逃げ出しました。何ごとかと思って見たら、すぐそばでりっぱなコブラが鎌首を持ち上げていました。
敷地内であっても、むやみに草むらに分け入らないほうが無難です。どうしても入る場合は、長い棒でつつきながらにしましょう。あとは、ハイラックスの動向に注目してください。ヘビが近づくと独特の警戒音を発して散開するのですぐわかります。もしかまれたら、あきらめてください。

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